2014年のキラウエア火山

2014年のキラウエア火山

2014年に発信したキラウエア火山情報をまとめた記事です。

プウオオ火口から流れ出た溶岩が、東へ向かって4か月半も流れ続けました。パホアの町のすぐ手前まで迫り、固唾をのんで見守るような状況が続いた年でした。

2014年、世の中では何が起こっていた?

  • 消費税が5%から8%に引き上げ
  • 御嶽山が噴火
  • ウクライナのクリミア半島をロシアが併合

09月07日 溶岩流が東へ!パホアの町に迫る

2014年6月27日、キラウエア火山のプウオオ火口から溶岩が流出しはじめました。溶岩は東へ東へと2ヶ月も流れ続け、パホア町に迫っています。民家から1㎞ぐらいのところまで流れて来ており、目が放せない状態になっています。

下の【地図1】から下記の地名を探してください。

(1) キラウエア・カルデラ(キラウエア火口)
(2) プウ・オオ火口
(3) マウナ・ウル火口
(4) イースト・リフト(東断層)
(5) サウスウェスト・リフト(南西断層)
(6) パホア町

ハワイ島地図(イーストリフト:東断層とサウスウェストリフト南西断層)
東断層と南西断層

キラウエア火山の仕組み

地球内部のマグマはキラウエア火山の山頂にあるキラウエア・カルデラの下にあるホットスポット(マグマが地表に出てくる前に一時的に貯えられている ”地下マグマ倉庫” のような場所)から断層に漏れています。(キラウエア火山には東に伸びる断層 “イースト・リフト(東断層)” と南西に伸びている “サウスウェスト・リフト(南西断層)” が存在します)そしてマグマは断層上の一番弱い表面(地表)を見つけては噴火を繰り返しガス、水蒸気そして溶岩(Lava:ラバ)などを火口から噴出させます。

もう少し簡単に説明します。庭のホースの先を親指で閉じている場面を想像してみてください。蛇口がホットスポット、そしてホースが断層。圧力のかかったホースに針で小さな穴を開けたらどうなりますか? ホース内の水が出てきますよね。それが断層上にできている火口と同じ原理です。

キラウエア火山の半世紀

ここ半世紀近くのキラウエア火山での噴火活動はイースト・リフト沿いで起きています。(カルデラでは2008年に噴火が始まって以来、火口内でも溶岩が見えたりしています。カルデラ内での噴火は1942年以来の珍しい出来事です)1960年にはクマカヒ岬、1969~1974年はマウナ・ウル火口、そして1983年からの31年間プウ・オオ火口で噴火活動が起きています。

プウ・オオで噴火が始まってからは溶岩は主に南に向かって流れ続けてきました。その溶岩は林を燃やし、家や道を飲み込み海岸線まで辿り着きオーシャン・エントリーを繰り広げてきました。しかし2014年6月27日に新しい溶岩流が東の方角に(イースト・リフトと平行に)流れ始めました。8月に入っても勢いを止めない溶岩流は、遂に未だかつて溶岩が到達したことのなかった林にまで流れ込みました。(参照:写真1)

溶岩流は地表を這いながら林の木々を燃やし、なぎ倒しながら少しずつ東の海岸線(パホア町の方面)に向かって流れ続けてきました。そして9月3日現在、溶岩流の最先端が民家から2kmの距離まで迫っています。(参照:写真2・地図2)

溶岩の流れる向きが変わるか溶岩の流出量が減り、民家に被害が出ないことを祈るばかりです。自然を相手にしたら人間がどれだけ無力でチッポケな存在かが良く分かりますよね。

10月28日 溶岩流がパホアのすぐ手前まで到達

2か月間の溶岩流の動き

【 08月12日~10月24日 】
6月27日にプウオオ火口から流れ出始めた溶岩が、Apa’aストリートを飲み込みました。さらにパホアの町、そして130号線へと向かって流れ続けております。

ハワイ島地図(2014年8月12日から10月24日までの溶岩の動きを表示している)

1週間の動き

10月15日

溶岩流はApa’aストリートまであと1kmに迫ってきました。

10月22日

溶岩流は1週間で185m先進。Apa’a ストリートまであと815mに迫っています。

10月24日

溶岩流がApa’a ストリートまで135mに迫っています。今夜中に溶岩がApa’a ストリートを飲み込むという報告が出ました。

10月25日 3:50 AM

現時点で溶岩流の先端からパホアの町まで600mです。

10月25日 5:00 AM

Apa’a ストリートが溶岩流に飲み込まれる様子。溶岩流の約100m先にはパホアの墓地。このアップデートがアップされる頃には墓地も溶岩に飲み込まれてしまっていることでしょう…。

11月10日 溶岩流がついに1軒目の家を飲み込む

6月27日に始まった溶岩流の先端部は10月31日に失速し、パホアロード手前約160mで止まりました。それ以来大きな変化はありません。しかしここ10日間ほどは、溶岩流の先端から200m~1000m西側の火口に近い(標高の高い)地域で結構な量のサーフェス・フロー(溶岩が地表に流れ出る様子)があったため、林が燃え白煙が上がっています。

【解説】溶岩流の勢いとスピード
溶岩流の幅が細く縦に流れ出ると勢いがあり、溶岩流の先端は速いスピードで伸びていきます。しかし溶岩が横に広がり流れ出始めると広範囲に溶岩が広がるため、溶岩流の先端付近の勢力は弱まりスピードも落ちます。10月31日前後から溶岩流先端から西側でサーフェス・フローが横方面に流出し始めたために、溶岩流の先端が失速し溶岩活動が止まっていたわけです。

【溶岩流がついに一軒目を飲み込む】
しかしその横に広がりつつある溶岩が、今日の11:55AMにパホアのゴミ捨て場と墓地の中間付近にあった家(地図で見ると赤い屋根の建物)を遂に飲み込みました。

その家は娘たちが一緒にフラを踊る友達家族が借家として貸し出していた家であることを、いま娘から知らされました。6月27日に溶岩が流れ出始めてから4ヵ月半、遂に最初の民家が飲み込まれてしまいました。明日までにはゴミ捨て場の建物も火に包まれ、姿を消してしまっている気がします。

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