
2009年に発信したキラウエア火山情報をまとめた記事です。
活発な火山活動が続いた年。ハレマウマウ火口からは噴煙が上がり、プウオオ火口から流れる溶岩はラバチューブ(溶岩トンネル)を通ってカラパナの海に流れ込み続けました。その様子を見学する溶岩ボートツアーもこの年に誕生しています。
2009年、世の中では何が起こっていた?
- 衆議院選挙で民主党圧勝
- オバマ大統領就任
- 新型インフル WHOがパンデミック宣言
01月23日 火山活動は活発
ハレマウマウ火口では2008年3月に噴煙を上げ始めて以来、現在も硫黄の濃度の濃い白煙が元気に立ち上がっています。また、プウオオ火口からの溶岩は地下のラバチューブ(溶岩トンネル)を通って海に流れ込み、素晴らしいオーシャンエントリーを見せてくれています!
※オーシャンエントリー:海に溶岩が流れ込む溶岩のこと
そしておまけとして、この時期にしか見られないザトウクジラも運が良いと上空から見えていますよ。
03月21日 変化の多い海岸線の平地、オーシャンエントリーの競演
キラウェア火山は相変わらず活発で、海岸線沿いで溶岩も結構見えています。
約1年前の2008年3月12日に始まった“ハレマウマウ火口の新噴火”からは硫黄濃度のかなり濃い白煙が空へ向かって高く上っています。直径約1km、深さ約100mもあるハレマウマウ火口からの立ち上がるこの白煙は迫力があり、見ものです(無風状態、または南からの風が吹いて白煙が国立公園全体を覆ってしまうと、公園が完全閉鎖になることもあるので行く前に確認してください)
現在溶岩が見えているのは、海岸線沿いだけです。プウオオ火口付近から吐き出される溶岩は、2008年2月~3月にかけて出来上がったラバチューブ内(溶岩トンネル内)を流れ、海に流れ込みながら(オーシャンエントリー)、水蒸気雲を海岸線からモクモクと上げています。
メインのオーシャンエントリーは130号線の最終地点側(国立公園外のカラパナ付近)に位置していて、ワイクパナハ(Wai Kupanaha)と呼ばれています。
激しい水蒸気爆発を繰り返し、ブラックサンドと一緒に赤い溶岩の塊が空に向かって数十メートルも飛び散ったりもします。夜に見ると、飛び散る溶岩が花火のように見えて見ごたえがあります。130号線の最終地点から歩いて行ける展望台から、この様子を見ることが出来ます。
そしていま一番変化があって目が離せないのが、海岸線沿いの平地(コースタル・プレーン:Coastal Plain)での新しいチューブの形成と新オーシャンエントリーです。
ロイヤルガーデン内(溶岩に襲われてほぼ全滅した住宅街)の斜面を貫通しているラバチューブ(溶岩トンネル)は、ロイヤルガーデンの斜面とコースタル・プレーン平地の境目付近で東に(溶岩の進行方向から見ると左に)屈折しています。そしてワイクパナハに流れ込んでいるわけです。この屈折部分は溶岩にとっては、不自然な屈折。“溶けた固体”である溶岩は水と同様で抵抗が少なく、一番簡単に流れる事が出来る方向をいつも選ぼうとします。
今年に入ってから、新しいチューブを形成しようとする溶岩は坂の下で屈折せず真っ直ぐにコースタルプレーンを進み始めました。地表を手探りするかのように海岸に向かって駒を進めていた溶岩の先端が1/22(だったと思います)に海に辿り着き“新オーシャンエントリー”が誕生しました。これがワハウラ(Wahaula)です。国立公園内にまたオーシャンエントリーが出来ました。
しかし火口からの溶岩の量が一瞬激減したため、チューブはコースタルプレーンで萎縮してしまい直ぐに姿を消しました。
その後、また溶岩は新しい進路を見つけ2/20にポウポウ(Poupou)エントリーが誕生。しかし今度は雨が続きチューブが冷え固まり、ポウポウも短い命でした。
最新のオーシャンエントリーは3月中旬に誕生し、クパパウ(Kupapa’u)と名づけられました。(このアップデートを書いた3/21現在、ワイクパナハとクパパウの2ヶ所にオーシャンエントリーがあります。)
海に流れ込んでいる溶岩の量はまだワイクパナハに比べたら少ないもので、赤ちゃんオーシャンエントリーという感じです。溶岩が海に辿り着いたばかりということもあって、クパパウでは溶岩が海岸の崖っぷちを流れる幾筋もの溶岩滝となって見えます。
下は当社のウェブサイトで紹介を始めた “溶岩ボートツアー” からの様子です。今現在、成長するキラウェアを体感する一番の方法は、オーシャンエントリーを間近で見られるこのツアーです。このチャンスをお見逃し無く!
→溶岩ボートツアー(YouTube)
大迫力のお父さんワイクパナハと赤ちゃんクパパウ・オーシャンエントリー、素敵な共演を見せてくれています。いずれかは赤ちゃんのクパパウが独り立ちして、ワイクパナハが引退(衰退)する日が来ると思います。
大きく成長していくクパパウから目が離せません。
11月02日 新しいオーシャンエントリーが誕生、130号線が溶岩流に飲み込まれる
ここ数週間少しずつ前進してきた最新の溶岩流が今朝(ハワイ時間の10/31の7:30AM頃)、ついに海に到着しました。
はじめに溶岩流はカラパナ方面に進んで行き、林を燃やしながら130号線の最終地点に向かっていました。実際に先週末、溶岩流の間に残っていた130号線の一部(元からあったアスファルトの道)が飲み込まれました。このまま行ったら、カラパナ近くのオーシャンエントリーのビューポイントも飲み込むのではと予測していました。しかし、こちらはかなり失速して空から見る限りでは地上を流れる溶岩の量はかなり減った感じです。
その代わりに枝分かれしていたもう一つの溶岩流が元気になりはじめました。ここ数日間、海に向かってジワジワと前進していました。そして昨日の朝、ついに新しい溶岩流が海に達して新しいオーシャンエントリーが誕生したわけです。今まであったオーシャンエントリー(ワイクパナハ)より300~400m南西に位置しています。またチャンスがあったら、動画をウェブサイトで紹介したいと思っています。
