
2013年に発信したキラウエア火山情報をまとめた記事です。
2012年末に溶岩が海に流れ込み始めてから8か月間、安定してオーシャンエントリーを楽しめた2013年。夏以降の火山活動は大きな変化がなく、落ち着いた状態が続きました。
2013年、世の中では何が起こっていた?
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04月16日 オーシャンエントリー安定、プウオオ火口が活発
年末にオーシャンエントリー(溶岩が海に流れ込むこと)が復活して以来、プウオオの溶岩活動が安定しています。そのためチューブが閉じてしまうこともなく、現在も溶岩は海に流れ込み水蒸気雲がモクモクと立ち上がっています。またプウオオ火口内でも、波を打ったり飛び散ったりする溶岩活動がかなりの確率で見えています。ハレマウマウ火口も相変わらず活発です。大量の煙が噴出されているため、ハワイ島ではVOG(Volcanic Smog)の酷い日が多く続いています。
ゴールデンウィークも迫ってきました。夏休みももうすぐです。2013年は溶岩が見やすい年になりそうですね!このまま溶岩活動が続きオーシャンエントリーが止まってしまわないことを祈りましょう。

05月06日 キラウウエア火山の溶岩活動が安定
キラウェア火山の活動はここのところ安定しており、ハレマウマウ火口とプウオオ火口、そしてオーシャンエントリー(海に流れ込む溶岩)で活発な火山活動の様子が見えております。
プウオオ火口では運が良い時にはブクブクと波立った溶岩が上空から結構見えております。そして今日の最後のフライトでは久しぶりに空中に吹き上がる活動を見ることができました。5秒間隔くらいに「ドクッ、ドクッ」と1,000℃の真っ赤な溶岩が5~10mほど吹き上がっていました。ペレの鼓動が聞こえてきそうな瞬間です。上空から生きている地球を体感してみてください!
08月26日 8か月続いたオーシャンエントリーが消滅
2012年の年末から約8ヶ月続いていたオーシャンエントリー(海に流れ込む溶岩)が止まってしまいました。先週から海に流れ込む溶岩の量が減り始め、海岸線の水蒸気雲の大きさが見る見るうちに小さくなっていきました。8月22日には海岸線の崖の上には溶岩が見えておりましたが海には流れ込まなくなり、8月23日には崖の上に見えていた溶岩も冷え固まり、海岸線付近の溶岩活動はとりあえず一時停止しております。
しかしまだ、プウオオ火口からの溶岩は海に向かっている溶岩トンネルには流れている様子なので、もしかしたらまたすぐに復活する可能性もあります。前回も一時停止は数週間だけですぐに復活していたので、今回もそうであればよいと願っています。
現在プウオオ火口から2本の溶岩トンネル(Lava Tube)が形成されております。1本が全長15kmくらいある、南に向かって溶岩を海まで流し込んでいるトンネル。もう1本のトンネルは北に(ヒロ方面)向かっています。北に向かうトンネルに流れ込んでいる溶岩は3ヶ月くらい前からプウオオ火口の北に広がる熱帯雨林を少しずつ飲み込み始めていました。
今まで南のトンネルに大量の溶岩が流れていて、北のトンネルには少量の溶岩が流れていたために、北のトンネルからの活動は弱く不安定でした。しかし先週からはどうもそれが逆転した様子です。オーシャンエントリーの活動が弱まるにつれて、林や木々が燃え上がる山火事が活発になりました。
現時点で溶岩が見えるのは上空からのみとなってしまいました。上空からも見える場所は限られていてプウオオ火口内、火口の北の森が飲み込まれる瞬間、そして南に延びているチューブ上にできているスカイライト(天窓)、大きく分けて3ヵ所のみです。運が悪い日はこれらのエリアも雲の中に覆われてしまい、上空からも溶岩が見えない可能性もあります。
火の女神“マダム・ペレ”さんに早くオーシャンエントリーを復活させてもらうようにお願いしましょう。
11月27日 11月の火山状況
ここ数ヶ月(2013年8月以降)、火山の活動には特に大きな変化はありませんでした。いまだにオーシャンエントリー(海に流れ込む溶岩)は復活しておりません。現時点で赤い溶岩活動が見える可能性がある場所は2箇所のみ。ハレマウマウ火口内とプウオオ火口周辺です。
※天気、噴煙の量で上空からでも見えないこともあります
ハレマウマウ火口
火口内の噴煙(白煙)が上がっている溶岩湖(ラバ・レイク)のサイズは少しずつ大きくなっており、現在は直径約160m。火口内の溶岩水位はハレマウマウの底から10m位のところまで上がってきたり、急に60m位まで下がったりしています。10m位の所まで水位が上がっている時は上空2,000フィートくらいからも見えますが、50~60mまで下がってしまうとほぼ真上まで行かないと溶岩は覗き込めません。地上(ジャガー博物館:国立公園内)からは暗い時には煙が赤く染まったりしますが、赤い溶岩は肉眼では見ることはできません。
※注意:ハレマウマウ火口の上空は飛行禁止区域になっております。白煙から3マイル以上、または4,000フィート上空を飛ぶ必要があります。
プウオオ火口周辺
海(南)に向かって伸びていた溶岩チューブは完全に閉鎖してしまったと思われます。このチューブが閉じてしまってからたまにチューブから溶岩が漏れ出ていたりしていましたが、1ヶ月以上こちらのチューブ周辺では赤い溶岩は確認されておりません。森林(北)に流れ始めたKahuaale’a2溶岩流が主体となっており、徐々にチューブを形成しています。Kahuuale’a2溶岩流は火口から8km伸び、さらに少しずつ林を飲み込んでいます。森林が溶岩に飲み込まれる様子は地上を歩いて行ける範囲内にはなく、上空からしか見ることができません。
カメラが捉えた素晴らしい溶岩活動
昨日のフライトで久しぶりに感動するような溶岩活動に出会えました。その様子を紹介します。この写真を撮ってくださったお客様に感謝です。
2013年11月25日
火口表面の膨れまたはへこみ具合を示したグラフです。
参照:ディフォメーション・グラフの青い線
3:15 PM
カフウアラエ2の周辺遊覧を終えて、ヒロ空港に向けて北へ向かう。
その直後にプウオオ火口の上空を飛行していたパイロットから「火口内で凄い溶岩活動が始まった」と連絡が入る。機体を旋回させて火口を振り返ると、10km以上の上空からも火柱が確認できる。至急プウオオ火口にとんぼ返り(数分で止まる可能性があるため)。
3:17 PM
赤い溶岩の周りに見えるツヤのある部分が噴火後2~3分で出てきた溶岩。

3:18 PM
扇状に溶岩が噴出している様子。(約10mの高さ)

3:21 PM
噴火6分後にはすでに溶岩流の長さは100m前後。

4:00 PM
ヒロ発のフライトがプウオオ火口に戻った頃にはもう既にこの活動は止まっており、溶岩の表面はほとんど冷え固まり始めていて、ほとんど赤い部分が見えなかったそうです。私の推測では3:30~3:40頃までにはこの活動は既に止まっていたと思います。
このような出来事をご覧いただくと分かりやすいと思いますが、いつ何が起こるか全く分からないのが火山です。明日何が起きているか全然予測が出来ません。それが自然です。
